LEDの知識〜チップLED〜



当社で取り扱っております、チップLED(SMD LED)についての基礎的な知識をご紹介致します。

LEDというと今までは端子が2本出ており発光部分が透明樹脂で覆われている、いわゆる砲弾型が広く使われていましたが、
現在は表面実装用のチップLEDが主流となっており、リードタイプに比べて強い光をより広角に照射できることから、
照明分野などで幅広く使われています。




■チップLEDの種類と極性

チップLEDには大きく分けて下記の2種類があります。

<樹脂モールドタイプ>



発光部分が軟質の樹脂で覆われているタイプです。
さほど光量が求められない表示用途、スイッチ向け照明に使用されています。

極性を表面から見て判断するには、端部に緑色の着色(マーク)がされている側が
カソード(マイナス)となっております。(画像左)

本体裏面には緑色の三角形のマークがあり電気の流れを表しており、
指し示している側の電極がマイナス(カソード)となっております。(画像右)

上図は3216型ですが、1005, 1608型などの極小サイズのものについては
表面にマーキングが無い為、裏面のマーキングを見て極性を判断することとなります。

※当社商品以外ですと上記と異なる場合がありますので、ご注意ください


<リフレクタータイプ>



バックライト照明など、ある程度強い光を求められる用途で採用されることが多いタイプです。
車両のメーター照明・液晶バックライト・モニターバックライトなどに使用されています。

極性の判断方法は、3020・3528などの角型LED(画像左)については
角が欠けている側の端子がカソード(マイナス)となります。
サイドビュー4008LED(画像右)ですと、端子に切り欠けのある側がカソード(マイナス)となります。

※フリップチップ実装方式のCREE社のLEDなどの一部は、切り欠け側がアノード(プラス)となっております。
販売ページやデータシートを必ずご確認ください。




■チップLEDのサイズ



チップLEDには様々な形状・大きさがあり、寸法はある程度規格化されておりますが
各メーカーごとに携帯電話向けの小型・薄型構造をとったもの、照明向けの大型LEDなど
特長を持ったものがラインナップされています。

当社では1005 / 1608 / 2012 / 3216 / 3020 / 3528 / 5050 がラインナップの中心で、全て高光度の上位ランクLED素子を取り入れており
極小サイズの1005や1608でも、定格電流を流すと直視できないほどの明るさを放ちます。




■チップLEDの取り付け取り外しのコツ

<基板からチップLEDを外す>
1.まずLEDの片側のハンダを溶かします
  注)できるだけLEDから離れた部分を加熱し、LEDに直接熱が加わらないように注意してください

2.ハンダが液状化したら、素早く先の尖ったツールなどで基板からLEDを浮かします
  注)ハンダが十分に溶けていない状態で持ち上げますと、基板を損傷させる恐れがあります

3.ピンセットでLEDをつまみ、もう一方の端子のハンダを溶かしLEDを外します

※上記の方法の他にも2本のハンダごてを使って、箸でつまむようにして外す方法などもございます。

<注意点>
LEDを取り外す際にはLEDを固定しているハンダをしっかりと加熱する事が必要ですが、
加熱しすぎますと基板側の回路を壊してしまう場合もあります。




■ハンダ付けのコツ

前述のようにチップLEDは砲弾型LEDなどに比べ熱に弱い為、
ハンダ付けする際も素早く作業する事が大事です。
片側のハンダ付けで2秒以内を目安とし、ハンダが溶けなかった場合は一度コテ先を離し、
一息置いてから再度加熱するようにしてください。

また、直接LEDの端子部を加熱するのではなく、基板側のハンダを加熱して溶けたところへ
LEDを運ぶイメージで作業しますと焼損を防ぐ事ができます。
ハンダの「供給しすぎ」も接触不良の原因となります。

<注意点>
LEDがハンダごての熱に耐えられる秒数は長めにみても3秒〜4秒です。
容量の大きなハンダごてですと、さらに短い秒数でも素子が破壊されてしまう恐れがあります。

また、LED製造メーカーは1回でハンダ処理を終えることを基本としています。
繰り返し加熱しますと、素子がダメージを受けて
「本来の明るさが発揮できない」「短命になる」「不点灯になる」
といった不具合が発生しますので、作業は短時間で確実に終えるようにしてください。




■使用工具類について

上記のような作業のコツの他にも、作業に合った道具を選ぶことも重要です。
LED製作には下記のような道具をお使いになる事をお勧めします。

・消費電力20Wでコテ先が細いハンダごて
・線径の細いハンダ線(0.6φなど)

熱に弱いLEDの工作には、先端温度が高くなり過ぎない20Wのハンダごてがオススメです。

また、ピンポイントで加熱できるよう、できるだけコテ先が細いタイプをお選びください。
コテ先が太いものはその分熱も伝わりやすくなります。
また、溶けやすい線径の細いハンダ線をオススメ致します。

コテ先についたハンダを放置したままで作業すると、コテ先の寿命を早く迎えてしまいますので、
常に先端は綺麗に保つようにしてください。




▼コンテンツ一覧▼

■LED関連用語集
■LEDの点灯方法
■LEDに関する注意点
■チップLEDについて
■LED抵抗値の計算
■FluxLEDとは
■LEDバルブの自作
■LEDテープの自作
■LEDテープとは
■LEDテープの選定


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